初心者でもわかる!ネットビジネスを失敗させない為に絶対に覚えておくべきSTPマーケティングの概念
インターネットによる顧客獲得や自社商品・サービスの販売促進、アフィリエイトなどの広告事業、その規模は大小問わず自サイト・ブログなどを活用したネットビジネスを失敗で終わらせない為には、STPマーケティングの概念を知っておく必要があります。
重要かつ超効果的なコトラーのSTPマーケティング
マーケティングの巨匠であるコトラーはSTPマーケティングを「効果的に市場を開拓するためのマーケティング手法」として提唱していますが、それはなにも商品開発や市場開拓に限ったことではありません。
STPマーケティングの概念を理解することで、商品力に依存したこれまでの運頼りネットビジネスから一歩拭け出し、ウェブ市場への戦略的アプローチが可能になります。
ここでは初心者でも分かるように3分程度で簡単に解説するので、実践応用していく中で是非その効果を実感してみてください。
STPマーケティングの概要
セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニングの頭文字をとってSTPと名付けられているわけですが、簡単に言うと《対象となる市場を細分化し、見込み客を特定したうえでそのユーザーが得られるベネフィットを掲示する。》ということ。
この一連の過程を商品・サービスを売り込む前に、戦略的に立案しておくことで最大限の効果を得ることができるようになります。
「あなたがサイト上で紹介している商品のターゲットを教えてください。」
上記の問いに対して「20代~30代の美容意識の高い女性」と答えられる方はターゲットという概念を理解しています、しかしそれではまだまだ不十分。ターゲットを選定するひとつ前の段階で市場を細分化する必要があり、それがセグメンテーションという考え方です。
- ① ジオグラフィック:地理的変数
- ② デモグラフィック:人口動態変数
- ③ サイコグラフィック:心理的変数
- ④ ビヘイビアル:行動変数
セグメントする際には大きく4つの分類があります、ちょっと見慣れない言葉が出てきますが難しいことはありません。
セグメンテーションの4つの分類
①:ジオグラフィックは地域よって消費者ニーズは異なり「沖縄でスノーボードのレンタル店を出すのは無謀なのでシュノーケルのレンタル店にしたほうが無難」という考え。実店舗を構える必要のないネットビジネスではさほど重要ではありません(場合による)。
②:デモグラフィックは年齢・性別・所得・家族構成などで、③:サイコグラフィックは趣味・思考や価値観など、先の「20代~30代の美容意識の高い女性」はこの2つの分類にフォーカスしていることがわかると思います。
物販サイトなどを運営したことのある方であればマーケティング知識がなくともデモグラフィックとサイコグラフィックを無意識で分類していたことに気づくかもしれません。
高齢者をターゲットとした場合ならウェブサイト全体の文字を大きくして見やすさを重視するといったユーザビリティに配慮することはとても大切です。が、、この②と③にこだわりすぎるあまり売上に直結する④:ビヘイビアルをいっさい無視してしまっているウェブサイトを往々にして見かけます。
ビヘイビアル属性を制する者がネットビジネスを制する
ネットビジネスにおいてのビヘイビアル、いわゆる行動要因へフォーカスすることでCVR(コンバージョンレート)を格段に上げることが可能になります。
この行動要因はユーザーが検索する際の【キーワード】によってある程度推察することができるのですが、慣れるまでは難しいと感じるかもしれません。しかし経験を重ねていくことでその精度は必ず高まっていくので常に意識することを心がけましょう。
例えば【まつげ 抜ける】というキーワードで集客を狙いコンテンツを作り込むより【リバイタラッシュ 最安値】というキーワードを狙ったほうが数十倍~数百倍のCVRを見込むことができるということ。
数百倍というと大げさに聞こえますがCVRが0.03%から3%に変化するようなことはウェブの世界では起こり得ます。
(※ニッチなキーワードはアクセス総数が必然的に下がる傾向があるので売上が100倍になるということではありません、しかしSEOが有利に働き作業対効果やPPCを狙う場合の費用対効果が高まり、利益に違いをもたらすということ)
上記のようにそれぞれのキーワードごとに深層心理があり、【まつげ 抜ける】というキーワードにはその原因を知りたくてインターネットで検索していることが分かります。
それに対して【リバイタラッシュ 最安値】は色々調べているうちにまつげ美容液があることを知り、たくさんある種類の中から評判の良いリバイタラッシュにしようと考え一番安いところを探して購入しようとしていることが分かるでしょう。
どのような行動を起こそうとしているか?をキーワードから推察して分類するということ。
以上の図や説明でピンっ!来られた方であれば、セグメンテーションの中でもビヘイビアル分類がいかに重要なことであるかに気づいたはずです、そしてどんな商品・サービスでもいくらでも応用しながら実践することができるようになります。
ターゲティングはビヘイビアルで分類した中から
「20代~30代の美容意識の高い女性」というように②デモグラフィックと③サイコグラフィックだけの分類でターゲティングしてしまうと「サイトデザインは青系ではなく全体的に赤かピンクっぽくキャッチ画像は美しく華やかな女性で」ということになりかねません。
ターゲットが明確になるとデザインも変わります。⇒ 知っといて損はない、魅力的なヘッダーデザインを作成するための目的・用途別の指南書。
それだけではなく、コンテンツに至っては何を書いたら良いのか分からない、まったく的を得ていない、ひどい場合はユーザーが望んでもなにのに「これを使えばあなたもキレイになれる!」と押し売りしてしまうことになります。
逆に④:ビヘイビアルのセグメンテーション意識を持ってリサーチすれば、どこにターゲティングすれば効果的なのかが一発で分かり、伝えるべき内容も明確になります。
STPマーケティングのセグメンテーションとターゲティングについてはこれ以上の説明は必要ないでしょう、後はSTPのP(ポジショニング)についての理解を深めるだけ!
ポジショニングについて
ポジショニングとはその名のとおり利用者と競合他社・他者の両視点から独自ポジションの確立を目指すこと。その商品やサービスが利用者にとってどんな価値をもたらすのか、競合他社・他者とどこがどう違うのか差別化をはかることです。
これはベネフィットという言葉が良く使われますが、「ホームセンターでドリルを探している人はドリルマシーンではなく穴を欲している」「ゴルフ用品店でクラブを新調しようとしてる人は鉄の棒ではなくスコアや飛距離を欲している」ということです。
ターゲットによって求めているベネフィットが変わるのでここが最重要ポイント!そして、ビヘイビアルによってきっちりセグメントさえしてあればそれも明確になります。
ビヘイビアル分類した図を見ると【悩んでいる人】をターゲットにした場合、《悩みが解決に向かう情報》を求めているので突然商品の利点を伝えてもそれは利用者にとってベネフィットとはなり得ません。
逆に【比較している人】をターゲットにした場合は《比較し選べる情報の提示》がベネフィットとなるので、商品の利点や他社との差別化がとても重要。
また、【購入・申込しようとしている人】をターゲットにした場合、いちから商品説明するのは逆にクドくなるので《どこが一番安いのか?・どこで購入できるのか?・どのようにすれば申し込めるのか?》をストレートに伝えることが最大のベネフィットとなるわけです。
STPマーケティングのまとめ
はじめてSTPマーケティングという言葉を知った方にとっては少しややこしく感じてしまうかもしれませんが、この概念を理解することでCVRは劇的に変化していきます。
またコピーライティングにおいて、ユーザーが求めていることを提示すればいいだけなので余計な言い回しやストーリーに悩むことが無くなり、どうすれば分かりやすく伝えられるかということだけに集中することができます。
SEOについては言うまでもありません、キーワードとコンテンツのマッチングこそGoogleの目指す企業理念と一致しているのでGoogleの検索精度の向上と共にコンテンツ制作の精度を常に磨いていく必要があり、それが可能になっていきます。
そして、WEBデザインでも、制作のディレクションの際、ユーザビリティを考慮することの意味を十分に理解することができるようになります。
- ターゲティングする前に参入市場をセグメンテーション
- ビヘイビアルで分類し効果的な属性にターゲットを絞る
- ターゲットに適したベネフィットを伝えポジショニングを図る
このSTPマーケティングの流れを意識していくと、セールスレターやコンテンツ製作、コピーライティングの組み立てに慣れていきます。