社長っ!御社のホームページはタコサイトですよっ、、ウェブ制作者・担当者が知っておくべき重要事項
ちょっと過激なタイトルですが、タコとは悪口で使われるような意味を含んだものではありません。ここで言うタコサイトとは《頭でっかちで目的のない情報を八方に散らしてしまっているウェブサイト》のことです。
やっぱり悪口じゃん!? そう言わず3分だけ時間をください。
ウェブ上を見渡すとそのほとんどのホームページや企業ブログ(個人ブログも含め)がこのタコサイトになってしまっています。その原因には、企業側にも制作側にもウェブマーケティングに精通している人間が少ないからだと考えられます。
現在マーケティング事業部を持たない中小企業の多くは、ホームページを外注しています。
本来ホームページを作成する際に打ち合わせするべきは、企業側のマーケッターと制作側のウェブディレクターです。
しかし、現実的にはウェブマーケティング素人の企業の社長もしくはお偉いさんと制作側の営業が打ち合わせをしてしまっているケースがほとんどです。
とある住宅メーカー社長と制作側営業マンの打ち合わせ風景
社長:「他社に負けないようなカッコイイホームページを作りたいんだけど、あんたのところで出来るかい?」
営業:「はい、当社ではこのような実績がありまして、テンプレートも選べます。」
社長:「このテンプレートがいいけど色がねぇ・・色を変えてもらえる?あと、ここは横文字で筆記体のがいいね!会社理念をバシっ、と伝えたいからここのバナーは派手目にね。」
営業:「わかりました、バナーは動くようなもので目立たせます!」
社長:「うちは大手とは違って価格で勝負してるからトップページは安さを強調したいんだよね、それと当社のこだわりの天然木でエコなところ、夏涼しくて、冬暖かい!耐震性だって他社には負けないしね、うちの住宅はとことんこだわってるから知ってもらえれば注文が増えると思ってね!今の時代はインターネットなんでしょ?ちなみにこんな感じでいくら(制作料)くらい?なるべく費用は抑えたいんだけどね。」
営業:「ホームからこだわりのページへお客さんを誘導する感じですね!料金は上司に相談してみますので、ぜひよろしくお願いします。」
社長:「たのんだよ!」
この打ち合わせから仕上がってくるホームページの全体像がありありとイメージできるとおもいます。自社製品に対してのこだわりは必須ですが、マーケティング知識が無い場合はコンテンツ以外の構成部分には介入するべきではありません。完成後の見込み客など獲得など皆無、社長の満足のために月々のランニングコストを計上し続ける負債サイトになってしまいます。
タコサイトをひっくり返す
従来、キレイなホームページがある会社はそれだけで信頼になり、制作側も見た目の良いホームページが作成できるだけで価値とみなされてきました。
そのため今もなお、社長の思いが存分に詰まった無数の自社アピールサイト(タコサイト)がウェブ上に漂っているわけですが、いったいどういったユーザーがそのホームページを見つけ、社長の思いをくみ取るというのだろうか?
残念ながらユーザーは自身にメリットをもたらす情報以外、目をくれる暇などありません。
もし、少しでも思い当たる節があるとすれば、自社のホームページがどのような内容なのか社員に確認してみると良いでしょう。きっとその内容を誰も理解していないことに愕然とするはずです、社員も興味を示さないものがお客様に届くはずありませんね。
じゃー、どーすればいいんだっ!と言いたくもなります。
答えは意外に簡単です、タコサイトの上下をひっくり返してヒュドラサイトにします。(ヒュドラとは頭が複数ある架空のモンスターです。)
ここで言うヒュドラとは《複数の流入口を持ち、的確なベネフィットを伝え、ひとつの出口へ導くウェブサイト》です。
誰かに見つけてもらうまで広大なウェブで漂い続けるタコサイトとは対極に、コンバージョン(購買欲)の高いターゲットを複数の頭でハンティングに向かう強靭なヒュドラサイト。
ヒュドラサイトがもたらす劇的な変化
タコサイトからヒュドラサイトへの反転は見た目や構成だけではありません、企業側視点からお客様視点への重要な大転換です。
見た目も良くしっかり作り込まれていても、流入キーワードが不明確で明確な目的を持たないホームページからは、集客はおろかその存在すら気づいてもらえません。
明確な出口を設定し、セグメント別に流入することで伝えるべきベネフィットが見えてきます。的確なアプローチは高いコンバージョンを生み、流入(入口)を増やすほどホームページからのアクセスは増え続け、利益に繋げていくことが可能になります。
ベネフィットとは商品の詳細を伝えて売り込むのではなく、お客様に価値を提供することです。「ドリルを売るには穴を売れ」という言葉は有名ですが、ドリルの性能うんちく語るのではなく、どのような場所にどのような穴を空けたいのかを聞き出すことにより、適したドリルを提案することができます。
ウェブ制作者であれば、「社長っ!御社のホームページはタコサイトですよっ、、」と言えるくらいのスタンスでクライアントに実益をもたらす提案ができるようなりましょう!そうすることで他社との価格競争から抜け出すことが可能になります。
また、会社のウェブ担当者なら、「社長っ!弊社のホームページはタコサイトらしいですよ、、」と言い会社に集客をもたらすホームページへ作りかえるよう努めましょう!
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