「ブロガーがこんなの読んだら反則レベルでしょっ、、」と思うくらい文章力が上がりそうな書籍を4選しました。
かれこれ19年前の話しです。高校3年生の放課後、駅のホームでタバコを吸っていたのが担任にバレてしまい、「いままでの人生を振り返りながら反省文を書けっ!」と言われて渡された原稿用紙はどっさり、、その数なんと20枚。
高校生の私は人生を振り返りながら、400字詰めのマスを一つ一つ埋めていくという未知なる作業に取り掛かったのですが、案の定・・
原稿用紙のわずか2枚目にして、人生18年分のネタがつきてしまい、「自分は文章力がない」ということを自覚することになりました。(そのあと残りの18枚をどうやって埋めたのか記憶もありません)
そんな私が今ブログを書いているというのも妙な話しですが・・
ここでは私と同じように“自分は文章力が無い”と自覚している人でも、「ブログなんてへっちゃらだ!」と思えるほど、文章力が上がりそうな書籍を5冊厳選してみました。
4位:伝え方が9割
厳選と言いながら、1つ目にベストセラーをもってくるあたり「たいして本読んでねーだろー」と、どっからかツッコミが飛んできそうですが・・
コピーライターである著者の佐々木圭一さんが、膨大な時間とトライ&エラーで導き出した方法論を整理したという伝え方がテーマなだけあって、この本とにかく分かりやすい。
どのくらい分かりやすいかというと、本を見開いたときに目に入ってくる数行の“太字”だけを読んでいくだけで、本の内容がスッと頭に入ってくるので、普段あまり読書をしない人でも、1時間もあれば内容を理解することができます。
世の中大勢の伝え方は、温泉でお気軽ピンポンをやっているレベルです。つながるし、一応ピンポンにはなっている。‥中略‥もちろん誰でもまぐれ当たりで、1球だけ凄いスマッシュを決めることもできます。ですがこの本のめざすところは、狙って、毎回打てる人になることです。人生の決めどころで、狙ってスマッシュを打てるようになる。しかもそれは、現実にできることなのです。P.27
料理本のレシピのように、その手順通りにつくれば、プロに近い味を出せるコトバのつくり方です。P.35
「デートしてください」と自分の願望をそのまま口に出すのではなく・・
「驚くほど旨いパスタの店があるのだけど、行かない?」そんな、意図した行動をとってもらうための最適な伝え方が”さらり”とできるようになったら、いったいどんなにモテるようになるだろう?
本の全体的な印象は、コミュニケーションとしての言葉の作り方や、一言で言い表すコピーライター向けの内容ですが、表現の幅が広がる言い回しの技術がテンポよく紹介されています。
186ページ以降にはブロガーにも役立つような、長文で使えるポイントが簡潔にまとめられています。
3位:アイデアの作り方
なぜ、ジェームス・W・ヤングの「アイデアのつくり方」はブローガーの心を鷲掴みにするのか?の記事でも紹介していますが、この本を読むまでは「アイデアのつくり方」というタイトルを見る限り、デザイナーやクリエイター向けの書籍かと想像していました。
しかし、著者のヤングはアメリカ広告業界の偉人だけあって、コピーライター向けの知的発想法のプロセスが、実質約60ページの中に驚くほどシンプルにまとめられています。(もちろん、ブロガーや文章を創り出す人以外にも、アイデアを必要とするデザイナーや作曲家など幅広い分野で役立ちます)
ただ、この”シンプルだけど究極とも言える知的発想法“を活用できるかどうかは、読み手の理解度と日々の実践していく態度によって変わってくるかもしれません。
アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない。:ジェームス・W・ヤング
ブログ記事の場合、このアイデアとは読み手(ターゲット)が求めているニーズと書き手(ブロガー)が持ち合わせている知識との組み合わせから生まれてくるので、
普段から読書などを通して有益な情報を蓄え、なおかつしっかりと読み手が何を求めているのかをリサーチすることで、価値あるブログ記事が書けるようになるのかもしれませんね。
文章というアイデアを創り出し続けるコピーライターやブロガーにとって、常にカバンに入れて持ち歩きたい古典とも言える良書です。
2位:プロフェッショナルは「ストーリー」で伝える
ここ数年、「たぶんストーリーって重要なんだろうな?」とふんわりとした感覚は持っていました。
しかし、「自分の主張を通さなければいけない場合や、相手に思いを伝えて行動してもらう必要があるのなら、論理的な説得や心理的テクニックは必要不可欠だ!」という考え方そのものを、根っこから覆してしまうほどの力がストーリーにはあると、確信したのがこの本。
人々は、いま以上に大量の情報など求めていない。あまりに膨大な情報に、むしろうんざりしている。‥中略‥人を動かすとは、単に相手を自分の思いどおりに動かすことではない。相手に本気で信じさせ、遂一指図しなくても自発的に行動する状態にさせてこそ、真にその人を動かしたと言える。P.18
自分の主張の正しさを聞き手に認めさせようとするのではなく、眠っている知恵を呼び覚まさせるほうが、あなたと聞き手の両方にはるかに有意義な結果を生み出せる。P.76
私たちが必要としているのは、これ以上多くの情報ではない。情報を意味づけし、自分が世界に溶け込んでいると感じさせてくれるストーリーだ。P.150
そして、ストーリーはさまざまなシチュエーションで活用することができる、【万能すぎる言葉の道具】だと言えます。
- ① 自分を血の通った人間として見せたいとき
- ② ワナの質問を切り抜けるとき
- ③ 近視眼的な思考から抜け出させるとき
- ④ 間接的に伝えたいとき
- ⑤ 自分の頭で考えさせたいとき
- ⑥ 言葉の「実演販売」をおこなう
- ⑦ 目上の人の間違いを指摘したいとき
- ⑧ 指図や命令をせずに要望を伝えたいとき
- ⑨ ノーの理由を伝えたいとき
- ⑩ 場の雰囲気を変えたいとき
自分の思いを伝えたいとき、理詰め説得(特に男性は)を試みるかもしれませんが、自分の正しさを証明しようとすればするほど相手を否定することになり、その説得はたいがい失敗に終わります。
うん、確かに私にも身に覚えがあります・・
しかし、押しつけるのではなく、良質なストーリーを語ることで相手を惹きつけ、聞き手の自由意思を引き出しながら、信用を勝ち取ることができるようになるようです。
人を動かすテクニックとして唱えられている方法論の大半は、力と力のぶつかり合いを生み出す。その結果、影響を及ぼす側と及ぼされる側のどちらかが「勝者」になり、もう一方が「敗者」になる。これに対して、ストーリーを用いれば、闘争を回避し、間接的に相手を動かせる。直接的に相手になにかを要求すれば、どうしても勝ち負けの関係が生まれるが、ストーリーなら共存共栄の関係をつくり出せるのだ。P.146
ストーリーは、引っ張る力が引っ張る力を生み出すという新しい力学をつくり出せる。双方の利己心が衝突するのではなく、足並みをそろえて歩みはじめる。P.147
人々はそれぞれに欲求をいだき、それを思考と行動の推進力にしている。ストーリーを語るのは、相手の思考と行動の推進力をあなたのゴールに結びつけるためだ。P.148
【現代広告の心理技術101】が”裏技“だとすれば、【プロフェッショナルは「ストーリー」で伝える】は合気道などで使われるまさに”表技“です。
もしも、表と裏の両方を使いこなせるようになり、言葉を自在に操ることができるようになったとしたら、誰でも無双ブロガーになれてしまう気がしますね。(このワンセットかなり強烈です)
1位:文章は読むだけで上手くなる
世の中には「文章は書き続けない限り絶対に上達しない」ということを断言する人がいますし、私も自身も「そりゃー書かなきゃ上達するわけないでしょ」というスタンスでした。
しかし、この本・・
確かに読んでいるだけで文章が上手くなっていく感覚を体感します。というのも文章というものがどのように構成されているのか?どのように構成すれば分かりやすい文章が書けるのか?が体系的に理解できるからです。
まず、文章にはリーダーとしての文とフォロワーとしての文があるという考え方を理解した上で、リーダーとしての文をつなげるだけで文章の骨格が出来上がり、これを著者の渋谷さんはスケルトンと呼んでいます。(コレって、ブログで言うところの小見出しのことじゃないですか・・)
そして、スケルトンには三角型と逆三角型の2種類があるのですが・・
△(三角)型はこれから何を書きたいのかを冒頭で示した後で、それを具体的に強調するエピソードやコメントを紹介します。P.84
▽(逆三角)型はインパクトのある一文もしくは小段落で文章が始まります。‥中略‥冒頭に置いた意図は後段で明らかにされます。P.85
この構成を理解したとき、”ピンっ”とくるブロガーもいるかもしれません。
ブログにあてはめると、ベネフィットをタイトルに盛り込んで、読み手の具体的に知りたいことを先に提示する△三角型の文章はSEOに最適な文章構成になりますし、
思わずクリックしたくなるようなタイトルをつけることで、読み手の興味をかき立てながら文章に引き込む▽逆三角型はソーシャルでバズりやすい文章構成になります。
また、【内容を絞り込んで普遍的なメッセージを発っする P.144】という逆Tの字型という考えは、読み手(ターゲット)をしっかりと絞り込んでキーワードを選定しているブロガーとリンクしますし、
【小説風文章に潜む失笑もののワナ P.170】については、ストーリーを描く際にやってしまいがちな間違いに対する指摘がなされていて、著者のその洞察には思わず「うむむ」と、うなずいてしまいます。
そして、【リーダーとしての文が書き手の価値観や着眼点を表す P.56】という意味を明確に理解したときに「うわっ、すげぇ」と、鳥肌が立つような思いをしました。(ここですべてを引用することはできないので、P.56の11行目~P.57の7行目で著者が伝えようとしていることを汲み取ってみてください。)
ようするに、この本一切の無駄がなく、ブロガーに役立つエッセンスが散りばめられているので、独断と偏見で1位にさせていただきました。ちなみにこの本890円です、チンっ!
まとめ
今回のブログ記事を書くために、改めて5冊を読み返してみましたが、伝えるということを生業としている著者の本は、とにかく分かりやすいです。
著者が長年かけて蓄積してきた「ブロガーがこんなの読んだら反則レベルでしょっ、、」って言いたくなるような、考え方やノウハウ、論理、テクニックを手にすることができる本って、やっぱり素晴らしいですね。
ただ、実際に上達したかどうかは書いてみないとわからないので、本を読む前に何か1つのコンセプトでブログ記事を書いてみて、読んだ後に再度、似たようなコンセプトの記事を書いて、見比べてみるのも面白いかもしれません。
もしあなたの知っている本のなかで、これが最強だ!といったブロガーに役立つ本があったらぜひ教えてください。