「やりたいことがわからない人」が読んでおきたい3冊。

3分の話

自分は器用だし、たいがいのことは人よりも優れた結果を残してきた。でも、実は自分が本当にやりたいことが見えていない・・

という人って、結構いると思います。

実際に以前の私も、このような典型的な器用貧乏で、「別にやりたいこともないし、これといった才能もないから・・」というなんだか諦めて世の中を眺めているような状態でした。

でも、それは・・そう思い込んでいただけ。

不要な情報や、不要な物、そして不要な他人からの承認を、頭、身体、身のまわりから削ぎ落とせば落とすほど、本来の”自分の輪郭“を取り戻すことができ”やりたいこと“が胸の内側からメキメキと燃え上ってきます。

それにはまず、自分にとって何が不要なのかをめてっていくということ。

自分で決断していく力が付けばつくほど、自分らしく、自由に、活力を持って生きることができるようになっていくのだと思います。

間違った決断は、最後まで下されない決断に勝る  ブライアン・トレーシー

混沌とした自分の頭の中を整理する

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エッセンシャル思考は、一度に多くのことをするための技術ではなく、本当に重要なことだけをやり遂げる技術、ようするに「より少なく、しかしより良く」という考え方で、物や情報が溢れ、多種多様な考え方が尊重される現在だからこそ、身に付けておきたい思考だと言えます

ピーター・ドラッカーの言葉も引用して、このように表現しています。

ここ10年ほどで、私たちの選択肢は急激に増えた。そのせいで、大事なものが見えにくくなってしまった。
‥中略‥
歴史上初めて、大多数の人びとが選択肢を持つことになったのである。ただし社会はいまだ、そのような事態に対応できていない
‥中略‥
心理学で「決断疲れ」と呼ばれる状態だ。選択の機会が増えすぎると、人は正しい決断ができなくなるのだ。P.33

私たちは決断に迫られる時、ようするに何かを選ぶのであれば、何かを捨てなければいけないタフな選択を迫られます。

この選択を回避するために、多くのものを容易に受け入れ、あれもこれもやらなくてはならない状態になり、何もかもが中途半端で疲れ果ててしまいます

自分では何ひとつ選べないから、すべてを引き受けているだけなのだ。彼らは選択肢を考えようとしない。言われたことをやるしかないと思い込んでいる。選ぶという行動は、難しいものだ。何かを選べば、必然的に何かを捨てることになる。手に入ったかもしれない何かをあきらめるということだ。
‥中略‥
選ぶという行動を自分のものにしないかぎり、エッセンシャル思考は身につかない。エッセンシャル思考を身につけるためには、選ぶという行為に自覚的でなくてはならない。
‥中略‥
選ぶことを忘れた人は、無力感にとらわれる。だんだん自分の意志がなくなり、他人の選択(あるいは、自分自身の過去の選択)を黙々と実行するだけになる。
‥中略‥
エッセンシャル思考の人は、選ぶ力を無駄にしない。その価値を理解し、大切に実行する。選ぶ権利を手放すことは、他人に自分の人生を決めさせることだと知っているからだ。P.56~57

自分にとって本当に重要なことを見極め、不要なものを断り、未来や過去への執着を断つことができたとき、今という充実した瞬間を生きれるようになるようです。

人生はあまりに短い。それは悲しむよりも、むしろ喜ぶべきことに思える。短い人生だからこそ、勇気を出して冒険できる。間違いを恐れずにすむ。かぎられた時間の使い方を、よりいっそう厳密に選ぼうと思える。
‥中略‥
エッセンシャル思考を生きることは、後悔なく生きることだ。本当に大切なことを見極め、そこに最大限の時間とエネルギーを注げば、後悔の入り込む余地はなくなる。自分の選択を心から誇りに思える。
‥中略‥
「本当に重要なのは何か?」それ以外のことは、全部捨てていい。P.294~295

片付けをとおして物への執着を無くす

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モノを片付けたところで部屋がキレイになるだけでしょ、他に何の得があるの?と思う人もいるでしょう。

しかし、著者のやましたひでこさんは、モノの絞り込みという作業は、最終的には自分と人との関係をも変容させる力があると言っています。

日本の社会というのは、大洪水のアマゾン川状態と言っていいほどモノが溢れた状態で流れている。でも意識は隅田川程度の流れのままだったりして。そのギャップに無自覚なまま暮らしている、という状態。そして溜め池にある入り口の水門は、きちんと締めているつもりが、モノの圧力がものすごいわけです。加えて割安感やパーセンテージの魔力あって恒常的に開いてしまっている。そして下水に当たる、要らないものが出ていく出口の水門は余程意識しないと開かない。「もったいない」とか「分別が大変」とう錆がこびり付いているわけです。P.51

モノと向き合い片付けていくプロセスの中で、選ぶ力が磨かれるだけではなく、セルフイメージも変えていけることを伝えています。

きっちり断捨離して快適な環境を整えたら、もうそのときはすっかり自分を信頼できる自分になっています。なぜなら「自分」とモノとの関係性を問い直しながらモノを絞り込む中で、自分軸がはっきりして自分自身が立て直され、「不要、不敵、不快」は「要、適、快」に入れ替わり、「今」必要なモノだけがある状態だからです。P.166

他者からの承認を求めることを否定する

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人間の悩みは、すべて対人関係の悩みであるとアドラーが言うように、自分の思った通りに行動できない背景には多くの場合、他者の目線があります。

自らの生について、あなたにできるのは「自分の信じる最善の道を選ぶこと」、それだけです。一方で、その選択について他者がどのような評価を下すのか。これは他者の課題であって、あなたにはどうにもできない話です。P.147

他人の評価を気にするといった、他者の課題に介入すようとすることこそが自己中心的であると言っています。

自由とは「組織からの解放」だと思っていたのでしょう。家庭や学校、会社、また国家などから飛び出すことが、自由なのだと。しかし、たとえ組織を飛び出したところでほんとうの自由は得られません。他者の評価を気にかけず、他者から嫌われることを怖れず、承認されないかもしれないというコストを支払わないかぎり、自分の生き方を貫くことはできない。つまり、自由になれないのです。P.163

他者からの承認によって自由がもたらされるのではなく、承認を否定することでしか自由な生き方はできないのかもしれません。

あなたもわたしも世界の中心にいるわけではない。自分の足で立ち、自分の足で対人関係のタスクに踏み出さなければならない。「この人はわたしにになにを与えてくれるのか?」ではなく、「わたしはこの人になにを与えられるのか?」を考えなければならない。
‥中略‥
所属感とは、生まれながらに与えられるものではなく、自らの手で獲得していくものなのです。P.188

「ここにいてもいい」という所属感は、他者から許可をもらうことで得られるのではなく、自己への執着を捨て、他者への関心を持ち、他者への貢献ができたことを実感できたときに得られるもの。

そして自分で自分自身に価値があると感じることができたとき、勇気を持つことができるようです

今を生きることの重要性

3つの書籍で共通していることは、今という時間が大切だということです。

非エッセンシャル思考の人は、過去や未来に気をとられるあまり、今を生きることを忘れている。いつも心ここにあらずの状態で、目の前のことに集中できない。一方、エッセインシャル思考の人は今ここに集中する。
‥中略‥
昨日や明日ではなく、今この瞬間に何が大事かを考えるのだ。 【エッセインシャル思考 P.271】

断捨離では、常に時間軸は「今」とお伝えしていますが、後ろめたさや不安は、過去や未来に軸がずれた状態とも言えます。
‥中略‥
断捨離は散らかっていることより、過去と未来のゾーンが堆積していることを問題とします。 【断捨離 P.74~P.76】

過去にどんなことがあったかなど、あなたの「いま、ここ」にはなんの関係もないし、未来がどうであるかなど「いま、ここ」で考える問題ではない。「いま、ここ」を真剣に生きていたら、そんな言葉など出てこない。 【嫌われる勇気 P.271】

過去から蓄積されてきたさまざまな執着や、先行きの見えない将来への不安があると”今ここ”で生きることができず、自分の本当にやりたいことが見えにくくなってしまいます

日々の情報、物、人間関係を見極めるスキルを高めながら、不要なもの断って、今という瞬間を生きることを意識していくことで、本来の”自分の輪郭“を取り戻すことができます。

そして私たちは”やりたかったこと“を発見するのではなく、いつのまにか、どこかにしまい込んでしまった場所を思い出すのだと思います。

スリームデザイン

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1978年夏生まれの熱しやすく冷めやすいB型。群馬県在住の累計360万PVブロガー。趣味はデザインとマーケティングと玄米ご飯。 フリーランス時代に独学で身に...

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小笠原広記

1978年夏生まれの熱しやすく冷めやすいB型。群馬県在住の累計360万PVブロガー。趣味はデザインと玄米ご飯。

 

フリーランス時代に独学で身に付けた技術を活かし、世界規模のデザインコンテストで日本人初の大賞を受賞&Photoshopの専門書を出版。

 

ブログ集客のエキスパートとして企業や個人のコンサルティングをしながら、コンテンツマーケティングやコピーライティングを手掛けるブログマーケターである。