3分の話

「盲点って本当に見えていないの・・?」読書嫌いな私がむさぼり読んでしまった【進化しすぎた脳】が面白いっ!

右目を閉じて・・

左目で右側の白い点を見ながら、パソコンのブラウザから顔を前後に動かしていくと30~50cmくらいのどこかで、左側の黒い点が消えるっ!(スマホだったら結構むずかしいけど5~10cmくらいのところかな?ぼやけるけど、たしかに消える場所がある。)

これ、理科だったか、図工だったか、もしくは保健体育だったか?何の授業だか忘れたけど、小学生の頃にやった記憶がある。。

目から入ってきた視覚的な情報(光)は、眼球の中にある網膜が受け取り、視神経を伝って脳へ送られる。その視神経が束になっている部分には、網膜に穴が空いているから、ココの部分だけは見えない

そうするに、これが「盲点」ってやつですね。

そう、私は今まで「盲点」っていうのは、文字通り”見えない点”ということだけ理解していたつもりです。しかし、脳研究者の池谷祐二さんの著書「進化しすぎた脳」では、P.142にこんな続きが書かれてます。

同じ図を上下逆さにして、左に黒い長方形が来るようにする。今度は右の黒い丸をじっと見て、黒い長方形のなかにある白い丸を消してみてごらん。

じゃー、早速やってみよう!

うん、今度はやっぱり左側の白い点が消えた。」と思ったけど、ちょっと待てよ??消えたんじゃなくて、白い点が黒くなっているわけだ。

そう、勝手に想像してるんだ。まわりが黒いから、見えないところもきっと黒だろうと、見えない部分を埋め込んでいる。最初に試したバージョンではまわりが白色だから、白で埋めた。 P.142

なるほど、そういえば私自身、普段の生活で「盲点があるから不便だ~」と感じたことはない。目の構造上、見えない部分は存在するはずだけど、その欠けた部分の情報は自然と脳が補完していたわけですね

本当に脳が補完しているのかちょっと実験してみた。

「盲点である”見えていない部分”は脳が補完している?これは面白い!」

じゃー、Photoshopを使って美しい風景画像にちょっとい・た・ず・ら・をして、大きめの穴をあけてみよう。

右目を閉じて、左目で灯台を見ながら、顔を前後に動かしていくと・・

消えた!消えた!っていうか、白でもなく黒でもなく、たぶんそう。青い空や白い雲となじむように自然と補完されている。

ん?これって、たしかPhotoshopでも同じような機能があったような。

画像の塗りつぶしたい部分を選択ツールなどで囲った状態で、[Shift + F5]を押すと、塗りつぶしウィンドウが開くから、【コンテンツに応じる】を選択してOK!っと

おお、まさにコレと同じような補完作業を、脳は無意識のうちにやってのけていたわけですね。それとも、この脳と同じような機能をPhtoshopで実現しているAdobeがすごいのか

まぁ、どちらにしてもすごい。。

で、この脳の補完機能について「進化しすぎた脳」では、さらに深堀していくのですが、これがまた私の好奇心をソソリまくります。

人間の目の解像度は100万画素??

私は幸いなことに視覚障害もなく、視力も良いほうなので、世界は美しく見えます。(気分が落ち込んでいるときは、よ・ど・ん・で・見えますがね・・)

で、最近の一眼レフ(デジカメ)では5000万画素なんてものがあるらしい。

そんな話を聞くと、カメラには詳しくない私は単純に「いよいよ人間の目で見ている世界と同じような世界を、写真に収めることができる時代になってきたのかな~?」なんて思ったら、意外や意外。

実は、網膜から脳に向かって出ている視神経は100万本しかないらしい。

網膜から出て脳に向かう視神経の本数はどのぐらいあると思う?100万本もあるんだ、片目だけでね。100万本とはすごい数だ。…中略…でも、この100万本という数をもう一回きちんと考えてみてほしい。 P.116

…中略…

デジカメに置き換えて考えてみると、ずいぶんと少ないような気がしない?だって見てごらん、この映写スクリーンの画像。文字がザラザラでしょ。100万画素しかないからね。

もしデジカメのように目が働いていたら、これはとんでもないことになりそうだね。世の中ぜんぶガクガクに見えちゃう。 P.118

この内容を読む限り、実際の目の解像度を表現したら、たぶんこんな感じになるのだろう

100万本というのは、おそらく写真のようにきれいに写し取るにはあまりにも少なすぎる。にもかかわらず、いま僕らが見ている景色も人の姿も文字もザラザラではないよね。…中略…

そういうふうに見えるということは、欠けた情報を補うような機能が脳に備わっているはずだ。 P.118

なるほどぉ・・さっきの盲点同様に、普段の生活で「視覚がカクカクに見えて不憫だ~」と感じたことはない。

仮に目の機能的な解像度は100万画素程度しかなかったとしても、脳が補完することによって、なめらかな美しい景色を見せてくれているわけですね

色を感じる細胞は網膜の中心にしか存在しない?

目の解像度だけではなく、色を感じることができる細胞は網膜の中心部分に密集していて、周辺にいくほどほぼゼロになってしまうそうです。ようするに、自分が見ている世界の中心部分以外はモノクロの世界らしい。。

「んな、バカなっ!」

現に今、私が見ている世界はカラフルですし、きっとあなたも視覚の隅々まで色を感知できているはずです

簡単に実験で確かめられるよ。やってごらん。クレヨンなど、色のついたものを用意して、友達に椅子に座ってもらう。

友達にはずっと正面を向いてもらって、視界の隅のほうで、赤でも青でも何でもいいから、色のついたクレヨンを見せて、「いま何色に見えた?」と訊いてごらん。 P.144

友達がいないので、私は一人でクレヨンの替わりになるものをまさぐって確かめてみたら、視覚の中心に近づけるまでは本当に色が分からない・・

でも、おもしろいことに、まず顔の正面に赤クレヨンを持ってきてから、徐々に横にずらして視界の隅の方に持っていくと、赤色のままに見える。

これはもう「赤だ」と脳が知っているから、「赤」の情報を埋め込んでいるんだ。P.144~P.145

これもやってみたら、視覚から消えていくまでクレヨンの替わりになるソレの色を認識することができました

で、これが何を意味するのかというと・・個人的な、体験や記憶、ワーキングメモリによっても、見えている世界が変わってくるということか??

世界を脳が見ているのではなく脳が世界を作りあげる

私たちが見ている世界と、犬や魚が見ている世界とは全く違う。

それに、視覚的な機能はほとんど同じだとしても、体験してきたこと、思い出、好き嫌い、価値観などの個性に違いがあるあなたと私では、見ている世界は同じかもしれないし、ほんの少し違って見えているのかもしれない。

この世界の色や形は絶対的なものではなく・・

ほんのわずかな情報を手掛かりにして、それぞれがそれぞれの脳で補完して世界を作り上げているってことですね

「目はものを見るためにあるのか」・・・多くの人はそう信じて疑わない。でも、ほんとうにそう?たぶん違うな。まず世界がそこにあって、それを見るために目を発展させた、というふうに世の中の多くの人は思っているけど。

本当はまったく逆で、生物に目という臓器ができて、そして、進化の過程で人間のこの目ができあがって、そして宇宙空間にびゅんびゅんと飛んでいる光子(フォトン)をその目で受け取り、その情報を解析して認識できて、そして解釈ができるようになって、はじめて世界が生まれたのではないか。

言っていることわかるかな?順番が逆だということ。世界があって、それを見るために目を発達させたのではなくて、目ができたから世界が世界としてはじめて意味をもった。 P.127

なぜ私の脳みそは記憶力が悪いのか?

目という1つの部位、しかも視覚という1つの要素を取り上げただけでも、脳は完璧とも言える補完ができるほどに高性能なのに・・

なぜ私の脳みそは記憶力が悪いのか?」そこにも、そうであるべき必然的な理由と、しびれるくらいに美しいメカニズムが働いているようです。

記憶というのは正確ではダメで、あいまいであることが絶対に必要。たとえば僕は今日この緑色のチェック柄の服を着ているね。そしてこんな髪型だ。もし記憶が完璧だったら、次に僕と会ったときに、着てる服が違ったり、髪に寝癖がついていたりしたら、別人になってしまうでしょ。

…中略…

100%完璧な記憶は意味がない。同じ状況はもう二度とはこないから。環境は絶えず変化する。だから、人間は見たものそのものを覚えるのではなく、そこに共通している何かを無意識に選び出そうとする。 P.186~187

記憶が正確すぎてしまうと、少しの変化でも別物だと判断してしまう。

地元で20年前の同級生を見かけたときに、ハッと気づくことができるのは、脳がその同級生の不変的な特徴を抽出して判断しているわけですね。

記憶があいまいだから、いままで思いもよらなかった別々の記憶がポンとつながったり、内容の一部が書き替わったりする。よく考えてみれば、これは「ソウゾウ」そのものだよね。

「ソウゾウ」というのは両方の意味ね、イマジネーション(想像)もそうだけれど、新しいものをクリエイト(創造)するのも、いま自分が蓄えている記憶が、あるときふとつながったり、何かのきっかけで変貌したりしてできる。

ある意味で、それはエラーだ。記憶バグ。でも、それは新しい記憶として「ソウゾウ」の芽となる。こういう芸当は脳に「あいまいさ」があるからこそできる。P.196

だとするのであれば、もうテストの答えが思い出せないことに悩むのではなく、「記憶のバグを糧に新しいものを、面白いものを創っていこう!

「進化しすぎた脳」は、脳研究者の池谷祐二さんが「どうやって脳が記憶して、どうやってその記憶をもとにして行動するのかが、不思議です。」といった高校性の疑問や質問に答える形で講義した内容がまとめてあります。

その回答がすごく分かりやすく明瞭で、刺激的。既存の概念もポロポロと剥がれ落ちていきます。

好奇心を掻き立てながら読み進めているうちに、いつのまにか自分も高校生にまじって講義に参加している気分になってしまうかもしれません。

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